総合説が1940年代に成立した後も洗練され続けた
総合説が1940年代に成立した後も洗練され続けた。動物行動学は動物の行動研究に量的なアプローチを導入し、フィールドワークを洗練した。ニコ・ティンバーゲンは至近要因と究極要因の概念を提唱し、生理学や神経学のようなマクロな分野と進化学の関連を明確化した。デイビッド・ラックのような幾人かの生態学者は生活史戦略の概念を持ち込んだ。1960年代から70年代にかけてフォードとフィッシャーの影響を受けたW.D.ハミルトン、ホールデンに学んだジョン・メイナード=スミス、ステビンズに学んだG.C.ウィリアムズといった人々が総合説を拡張し、適応主義的アプローチを洗練させ、遺伝子中心の進化観を明確に示した。彼らの理論は「種の保存のための行動」という古い粗雑な概念を覆し、生物の行動の進化も同じ文脈で扱えることを示した。非ダーウィン的な進化として論争を呼んだスチュアート・カウフマンの自己組織化理論や木村資生の分子進化の中立説も、適応進化の要因としての自然選択の役割を否定するものではないことが分かり、現代総合説の一部をなす。DNAや数学的な現代遺伝学、血縁選択、利他的行動、種分化のような現象の分析といったダーウィンが知ることができなかった概念の解明や彼以降の科学的発見によって、ダーウィンの自然選択というアイディアの範囲は拡張される。
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著名なネオダーウィニズムの批判者は細胞生物学者のリン・マーギュリスである。マーギュリスは進化の主要な原動力を共生であると考え、競争を強調するネオダーウィニズムは誤りであると考えている。ただし1970年代以降のネオダーウィニズムの研究は、競争がいかにして群れ、細胞、個体、遺伝子間の共生や協力関係を作り上げるかに移っている。共生の視点からネオダーウィニズムを批判した日本人では今西錦司が有名である。